メンバー自らによる
「laugh→love」解説
         
俺達は、曲ですべてを表現しました。
このライナーノーツは補助的なものとして、これにとらわれず、
自分なりの楽しみ方で聴いてみて下さい。
ザ・ベイビースターズ
         
1.SUNDAY
大切な人がいて、何気ない毎日と、どこにでもあるような風景がある。それらを当たり前だと思っているけれど、実はとても尊いもの。そんな想いを込めて書いたラブソング。 久しぶりに実家に帰った時に、気負い無く自然に生まれた曲で、高校時代に好きな子に向けて純粋に作った歌のように、どこまでも素直な気持ちで書いた俺流のラブソング。普通だったら、こっぱずかしくって、かっこ悪くて言わない「愛してる」を、29歳の今だからこそ大声で歌っちゃいました。(田中明仁)
2.aria
デモを聴いたときから、この雰囲気をこのまま閉じ込めたいと思っていた。そこで生まれたベビスタ初の打ち込みリズムから始まる曲。何も考えずに打ち込んだウッドブロックの乾いた音がアコギのストロークと絡まって、心地よい「風」を運んできてくれる。そして、2コーラス目から入ってくる生グルーブ!う〜ん、気持ちいい。こんなドライブをしたい!「余計な力を抜いて、自分のペースで歩いていけばいいんだ」と、小さいけれど強い自信を与えてくれる一曲。 (浅見トマル)
3.アールグレイ
デモを初めて聴いた時、綺麗な曲だなぁと思った。詞が完成に近づくほどに内容が深まり、研ぎ澄まされていった感があった。嫌みのない韻も心地良い。グルーヴやサウンド・アプローチはかなり模索したな。俺的に気に入ってるのは、間奏部のアレンジ。ギターのロングトーンとストリングスの絡みは、まるで愛し合う男女が天に昇って行くような神々しい雰囲気だ。(高橋りきや)
4.夏のちから
高橋りきやがデモを作って来た。彼の好きな音楽が見えた。楽しさの中に切なさが見え隠れしている。俺は「こんな曲の歌詞を書きたい!」と思った。メロディを活かす演奏をしたいと思った。この曲は四人それぞれの直感がうまく絡み合った曲。今年の夏も暑かったけど、毎年夏が来るたびに、夏が終わるたびに、この曲を思い出してくれたらとても嬉しい。色あせない普遍的な要素を、この曲のメロディーも歌詞も演奏も持っていると自負してる。(市川洋介)
5.吠える
りきやにライブでこんなギターリフをカッチョ良く弾いてもらいたい!という想いから生まれた曲。なんかレコーディング全体がクソ真面目で細かくて、みんな息が詰まりそうだったから、思いっきり遊んでやろうと思った。曲の展開やら、ボコーダーやら、逆回転ギターソロやら、多重変態コーラスやら。歌詞も一見難しそうだけど、実はとてつもなく情けない。「吠える」というタイトルはギンズバーグからもらった。そしたら、明仁がホントに叫びやがった(笑)!くれぐれも眉間にシワ寄せて聞かないように。(浅見トマル)
6.OVER
ベビスタが誇るロックピアニスト市川洋介がボーカルとしてメジャーデビューだ!やっぱりこの歌は洋介にしか書けないし、歌えない。勝手な「妄想」をここまで自分の都合のいいように表現したのも、ある意味お見事!コロコロ転がるピアノを中心に、絶妙な間合いのギターと、本能の赴くままにぶっ叩くドラム、こんなピアノ・ロック・チューンがずっと欲しかったんだ!ちなみに、日本語版のみボーナストラックです。って、海外版なんてない!(浅見トマル)
7.笑顔の法則
ある意味『laugh→love』というアルバムを象徴している曲なのかなとも思う。タイトル的にも内容的にも。優しい目線のある曲だね。意外と俺が作った曲が一番ベビスタっぽいと言われるんですが、きっとこの曲もそう思われるのかなと。この曲はメロディが良い分メンバーには苦労をかけてしまったな(笑)。気に入ってくれたんですけれども、料理の仕方に困ったというか。洋介のアイデアが雰囲気を広げてくれたなぁと感謝してます。(高橋りきや)
8.二万円
「田中明仁が詐欺にあった」って話は前々から聞いていた。女に振られたこともあるらしい。会社に行ってたことはあったのか?ないんじゃないか?まあ・・・美しい妄想も、切ない思い出も、どんな苦い経験も曲に変身させてしまうのが俺達ミュージシャンだ。曲と歌詞がデモの段階からほとんど変わっていないこの曲は、始めから演奏に気持ちを入れることが出来た。この「やってらんねーぞー!」を真っ直ぐに伝えることができたと思う。(市川洋介)
9.360°カメラ
永遠に思える君への気持ちを確認するとともに、それを一瞬に閉じ込めてしまわなければ失ってしまいそうな不安…そんな矛盾と小さな希望が交錯した刹那的な感情を歌ってみた。俺自信も写真を撮ることがとても好きで、この題材を表現してみたいと思ってたんです。ただ同時に、切ない内容とは反対のサウンドにしたいなとも思っていて、イントロの攻撃的なリフが出来た。REC時の全員の気合い、迫力はすごかったなぁ。俺とトマルのヘッドホンがはずれてしまって、後半は気合いで乗り切った(笑)(高橋りきや)
10.サイコロキャラメル
幼い日の思い出、でっかかった親父の背中。大人になった今だから分かる、家族愛を歌った曲。いつかやってみたいと思ってたウクレレを初めて使ってみた。ウッドベースのワーミーな感じと相まってすごくいい感じになった。一言で言って「ほんわかでにっこり」な曲。ちなみにこの曲ではりきや、トマル、洋介、そして事務所社長が「セクシーパン屋カルテット」としてアコギを披露している。そういえば、サイコロキャラメル舐めてないな〜。(田中明仁)
11.風色
何年もつき合っている人たち、長年連れ添っている夫婦…つき合いが長くなればなるほど、初めの頃の情熱は薄れていくものだ。しかし「愛情」はどうだろう?きっと言葉には出さなくても、一緒にいればいるほど深く大きくなっていくんじゃないだろうか。人間として相手に対する尊敬の気持ちが表れるのも、長く一緒にいればこそ、芽生えるものなんじゃないだろうか。そんな気持ちとそれなりの経験で作った曲。(市川洋介)
12.去りゆく君へ 2.去りゆく君へ
出会いがあれば別れがある。当たり前の事なんだけど、別れはやっぱり辛い。悲しみはまるでボディーブローのようにじわじわと効いてきて、別れた後になって初めて存在の大きさに気づく。そんな経験、誰にでもあると思うけど、この曲は僕の実体験を歌った曲。「バンドで飯を食うぞ」と決心して東京に引っ越して来た日に、まだ何も無い部屋で本気で泣きながら作った曲です。ライブでもずーっと大切に歌ってきた曲で、言うなれば、バンドの成長とともに育ってきた曲。(田中明仁)
13.閃光
実はこの曲けっこう昔からある曲。すごく気に入っていたんだけど、「明るくさわやか」というバンドイメージと同居できなかったために封印してたんだけど、久しぶりにメンバーで聴いたら、満場一致で「今こそやろう!」となり、新たな命を吹き込まれることになった。マイナー調の無機質なループ的アプローチから始まり、2サビでの解放、そして後半にかけての怒濤の盛り上がりがたまらない!歌詞については、今の等身大の気持ちを重点に置きつつ、もう一度書き直して「オレはまだまだこんなもんじゃねーぞ!」的な想いをこめた。唸るギター、響くドラム、彩るピアノ、力強い歌声。今のベビスタのパワーが詰まってます。アルバムの最後を飾るにふさわしい「ベビスタの骨」的な一曲。(田中明仁)